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「……おい、今何時だ?」
 緊迫した声。
「知るかよ。こっちが知りてぇぐらいだ」
 気付けば自分の背中にも冷や汗が伝っていた。
 どうしよう。
 どうすればいい?


『狭小スペース物語』


 時間の感覚は、ない。
 かなり長い時間ここにいる気がする。
 が、おそらくまだほんの数分しか経っていないのだろう。
 
「俺らが一体何したってんだよぉ」

 泣きそうになってんじゃねえよ。
 俺まで泣きそうになるだろうが。
「そんなこと、こっちが聞きたいくらいだ」

 今更だが、俺たちは今、非常に困っている。
 二人して半畳ほどのスペースに閉じこもっている。
 あぁ、もちろん別々の部屋だ。
 声が聞こえるのは隣の部屋からだ。

 ほんの小一時間ほど前。
「回らない寿司屋に行こう」
 隣の部屋にいるヤツの言葉が元凶だった。
「回転寿司じゃない店ってことか?」
「そうそう。この前偶然安い店見つけてさ。行ってみようぜ」
 そう言われて連れて来られた店は、意外と普通だった。
 それなりにきれいな外装、きれいな暖簾。
 ところが内装は、……何も言うまい。
 確かに、安そうだ。

「お、大トロ一貫百円?」

 安い。安すぎる。
 大丈夫なのか?
 そう思う俺の隣で早速食い始めるヤツ。
「おっ、なかなかイケるぞ」
 勧められて食べてみる。
 まあ、それなりに。
 
 多分大丈夫、だろう。
 ……と思ったのも束の間。
 腹の様子がおかしい。


 そして二人してこの部屋――トイレにこもること数分。

 早くこんな場所出てしまいたい。
 なのに出られない。
 このまま一生出られないんじゃないかとさえ思い始める。

 ああ
 腹が痛ぇ……



Fin.



こんな話ですみませんorz


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