NOVEL
□‡指先‡
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「すっげ…///」
頬を染め耀爾を見上げ健は吐息をついた。
「そうか?」
クスッと笑みを溢し、耀爾は自分用にもう一度ビルドする。
「リキュール・ベースの甘口。“BANANA BLISS”の“BLISS”は『最高の喜び』───という意味」
整った顔に落ちる陰が、より一層 彼の魅力を際立たせる。
「NightCap・Cocktailにはコレだな…香りがいいだろ?」
「うん」
確に…バナナ・リキュールとブランデーの香りが とてもよく合っている。と健は頷き返した。
「味が変わっちまう前に飲め」
優しく微笑み、耀爾は席に着きグラスを軽く上げた。
「『至福のひととき』に乾杯…」
「乾杯…」
グラスを傾け、酒を扇る。
舌に触れる感触から、口腔に拡がる風味に 健は目を細めた。
「ありがと、美味しいよ」
甘い味に、落ち着く。健は二口目を飲もうとグラスに唇を寄せた。
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