NOVEL
□‡月下のワルツ‡<後編>
5ページ/10ページ
「君を‥困らせる、つもりじゃ…なかったんだ…」
真実を打ち明けてくれないのは、
俺のため?
込み上げる感情は、
君に対して?
これ以上、彼を困らせては駄目だと頭では解ってるのに…俺の口は最後の疑問を吐く。
君が傷つくと知っているのにも関わらずに。
「『ヨージ』は、『俺』なのか・・・・?」
息が止まる。
残された小さな勇気を掻き集めて、震える指に力を込めて俺は言う。
お前がヨージさ。
「違うよ」
ケンと良のもとへ、アヤとオミが駆け付ける。
「二人とも大丈夫ッ?!……………っ?」
アヤとオミは、その場に立ちつくした。
.